慈恩寺

華林山 最上院 慈恩寺の参拝記

 

2018年 平成30年10月30日、坂東三十三所観音霊場11番札所 岩殿山安楽寺 吉見観音の後に、12番札所 華林山 最上院 慈恩寺へ参拝しました。車での移動時間は、高速道路の利用なしで70分弱でした。

 

参拝前、管理人は、あることを心配していました。というのも最近、神社、寺院の中には、妙なノリのところが多くなってきたように思います。
由来や縁起とはまったく関係ないけれど、言葉の語感や響きが似ているからと、ダジャレ、親父ギャグ的なコジツケで、ご利益をうたうところ。
あるいは、小説、ドラマ、映画、漫画、アニメなどの作中に登場して、それを観光の主軸としてうちだし、極端なことろは、自分で「聖地」とまで恥ずかしげもなく言い出してしまっているところ。聖地って、そりゃあ俗世、在家のファンのほうが言うのは、言葉のアヤ、例えとして勝手といえば勝手でしょうけど、神社、寺院側が、当院、当社はXXX(作品名)の聖地とか言っちゃだめだと思うんだよね。仏教寺院の聖地って、釈迦に関する場所とか、開祖の誕生した場所とかじゃないんですかね?
で、ここ華林山 最上院 慈恩寺です。ジオンジ。機動戦士ガンダムに出てくる敵方の国がジオン公国なのは、男性ならけっこうな割合で知っているのではないでしょうか。というわけで、そんな心配をしていたのですが、まったくの杞憂でした。そんな気配はかけらもありませんでした。

 

さて、ここ慈恩寺をもっとも特徴づけているのは、ガンダムではなく、玄奘三蔵法師の遺骨といってもいいでしょう。
玄奘三蔵法師といえば、西遊記のモデルになった坊さんですし、たくさんの経典をインドから中国に持ち込んだ仏教伝来の上で、大変な貢献のある人です。中国の人ですから、お墓や遺骨も中国にあって当然だろうと思っていました。
今回の慈恩寺への参拝の後で調べてみたのですが、勿論、最初は中国国内のお墓があり遺骨もそこにありました。が国内の戦乱、国の興亡で、あちことへ移され、あげくに行方不明になり、最後に発見されのは南京の土の中だったといいます。
タイミングは日中戦争の最中。発見したのは日本軍。考古学的な調査などではなく普通の工事で、地中より石棺が見つかり調べてみると玄奘三蔵法師の遺骨であることがわかったといいます。イギリスやフランスがエジプトや中東などの遺跡からミイラや宝物を発掘して、大英博物館やルーブルに持って帰ったのと同じように、日本に持ち帰ろうとしますが、中国からの依頼と話し合いを経て、現地にも残すことになりました。日本に持ち帰った遺骨が、ここ慈恩寺の玄奘三蔵霊骨塔にあります。昭和25年の建立です。
発見は昭和17年という戦争の最中。そして敗戦、戦後の混乱、貧困の中での塔の建立。なんかすごいことがあっただろうなぁと推し量られます。
またその後も遺骨は分骨が繰り返され、今ではアジア圏に13箇所に分かれているようです。

 

玄奘三蔵霊骨塔は、慈恩寺の本堂から歩いて10分弱でした。以前はあぜ道だったようですが、管理人が行ったときには、けっこう整備されていて、苦労することなく歩くことができました。

 

さて、坂東三十三所観音霊場の順番から言えば、次は13番札所の 金龍山浅草寺 浅草観音となります。ですが、浅草の浅草寺に車で行くのは、なんとも気が重い。都心の運転は渋滞や一方通行、時間帯による通行止や通行禁止なども嫌ですし、駐車場にも苦労しそうです。今日回った埼玉県のお寺は、自動車での参拝が便利でしたが、浅草寺は、電車のほうが楽でしょう。
今日はここまでにしましょう。東京への帰路、どこかで食事をしたはずなのですが、思い出せませした。google mapのpタイムラインで確認すると、高速道路の川口PAに入ってました。あぁ、そういえば何か食べたなぁ。どうも昔から一人で寺巡りをすると、食事のことはどうでも良くなってしまいます。

 

 

基本情報

住所

埼玉県さいたま市岩槻区慈恩寺139

電話番号

048(794)1354

交通アクセス

開門時間

納経時間 午前八時より午後五時

料金

拝観料 無料。

駐車場

山号

華林山

宗派

天台宗

本尊

千手観世音菩薩

創建

天長元年 (824年)

開基

慈覚大師(円仁)

正式名

華林山 最上院 慈恩寺

別称

慈恩寺観音

札所

坂東三十三所観音霊場 第12番 慈恩寺へ 詣る我が身も たのもしや うかぶ夏島を 見るにつけても

文化財

南蛮鉄灯籠

行事

一月一日与三日初詣・正月大護摩供  二月五日玄奘忌  八月九・十日四万六千日

 

http://www.jionji.com/ 


----------------------------------------------------

慈恩寺記事一覧

「しんちゃん」あるいは「らき☆すた」の空気同じ埼玉県でも、川口・浦和・大宮など京浜東北線沿線と、春日部・越谷など東武スカイツリーライン沿線では、流れている空気が違うように感じます。春日部や越谷には、浦和や大宮にないのんびりした雰囲気があります。その雰囲気は、春日部を舞台としたマンガの「クレヨンしんちゃん」や「らき☆すた」にもよく表れています。さて慈恩寺の境内に隣接する駐車場に車を止めて降りてみると...

なんとなく、今年の大晦日は除夜の鐘を自分でついてみたいと思い、近隣で除夜の鐘をつかせていただける場所を探していきついたのが埼玉県さいたま市岩槻区慈恩寺にある慈恩寺というお寺でした。11時45分からつきはじめ、最初の一回は和尚さんがつき、その後108回を一般の方が一人1回500円で除夜の鐘がつけるというのです。何しろ初めてのことでしたので勝手がわからず、10時30分くらいにお寺に行くと誰もおらず不安...