大阪から福知山を経由して天橋立に通じる国道176号線で、兵庫県の三田駅を過ぎて右に折れ、どんどん山の中に入って行って小さな峠を越えた所に永澤寺があります。関西花の寺25寺に名を連ねている通り、1年を通して綺麗な花を見ることができるそうですが、中でも4月〜6月がお勧めです。4月中旬からは、全国でも数少ない芝桜専門庭園で約1億輪の芝桜が咲き誇り、見事な花の絨毯を見せてくれます。そして5月になると、2500株の色とりどりの牡丹が見頃を迎えます。しかし永澤寺といえばなんといっても花菖蒲です。6月中旬になると、300万本の花菖蒲が広い庭園で所狭しと咲きそろいます。しかも様々な種類の菖蒲が咲いているので、たくさんの花の色や形を楽しむことができます。庭園から駐車場に帰る途中、ふと境内の方に目をやると、山門の前に小さな道標がありました。その道標には「摂丹境」と記されています。永澤寺は、摂津国と丹波国とにまたがった場所にあったのです。ちなみに、寺の名前は「永澤寺(ようたくじ)」ですが、住所は「三田市永沢寺(さんだしえいたくじ)」だそうです。
矢久仁達三 60代男性 2014年6月