未経験の業界に就職した。 学生時代に学んだ知識は役に立たず、 知らない、分からない、出来ないの毎日に、弱り果てていた。 そんな自分が情けなく、会社から出ると涙が溢れた。 人通りの少ない道を次の駅まで歩く。途中、神社の前で足を止めた。 時刻は深夜。閉ざされた門の中は静寂と暗闇が広がっていた。 チャリンと賽銭の音だけが響く。 それをきっかけに、溜まった感情が一気に溢れた。 手を合わせ、弱る気持ちを一心に神様に伝えた。 一方、心の奥で「もう少し頑張ってみよう」と思う自分に気が付いた。 ただ誰かに、この悲しい気持ちを聞いてもらいたかったのだ。 神様に聞いてもらい、自分の本当の気持ちに気が付くことができた。 どれくらいの時間が経過したのだろう。 「よし頑張ろう」そう決意し、次の駅までの道を力強く歩いた。 その後、少しずつ知識は増え、出来る仕事の幅も広がった。 現在も同じ仕事を続け、毎日頑張っている。
By おでこ30代女性 時期:2009年10月頃
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