中学生になり、家族ではなく、友達と迎える初めてのお正月だった。 普段なら出歩くことが許されない時間に、玄関のドアを開けて外に出た。 吐く息は白く、寒さが凍みた。夜の暗さに、少しだけ怖くなる。 最寄駅で友達と合流し、電車に乗って、ある友達がよく行くという神社に初詣に向かった。 時計の針が23時を回った頃、神社に到着。がやがやと多くの人の気配がした。 心なしかみんなそわそわしながら、参拝者の列の最後尾に並ぶ。 「寒いね。」「もうすぐだね。」と口々にしながら、そのときを待った。 どのくらいの時間が経っただろう。どこかで大きな声がカウントダウンを始めた。 「3!2!1!」「あけましておめでとう!」 なんだか嬉しくて、自然と笑顔になる。まわりを見ると友達もみんな嬉しそう。その顔をたぶん忘れることはない。 その夜、少しだけ大人になったような気がした。
By おでこ (30代女性) 体験時期:1999年のお正月
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