正法寺

え?ここが?

吉見観音(安楽寺、坂東11番札所)を出て、東松山市中心部のファミリーレストランで昼食をとり、岩殿観音へ向かいました。東武東上線高坂駅の近くで線路を渡ると、そこから先は地形や風景が変わって、山道を走っているような感じになります。
大東文化大学を少し過ぎたところにある駐車場で車を止めて、階段を下りて、トンネルをくぐって少し歩くと岩殿観音の境内に入ります。といっても仁王門から入ったのではなく、何となく境内に足を踏み入れてしまったような感じです。
「え?ここが?」
入った瞬間、愕然とさせられてしまいました。境内があまりにも荒れていたからです。

 

仁王門

どうやら間違った方向から境内に入ってしまったようですが、すぐ近くに案内図があったので、それを見てから階段を下りて仁王門へ向かいました。
岩殿観音の境内は、低いところに仁王門と本堂があり、階段を上った高いところに観音堂など他の建物があります。高低差はありますが、起伏に富んでいるというよりも、二層に分かれているといってよいでしょう。
仁王門は、長屋門のような感じでした。高さがそれほどなく、横長で、装飾も控えめです。
仁王門からは、細い一本道が境内とは逆方向に延びています。おそらくこれが昔の参道だったのでしょう。

 

荒れたような、朽ちたような

仁王門から階段を上ったところには、鐘楼、百地蔵堂、薬師堂、絵馬堂、観音堂といった建物がありますが、どれも荒れ果てたような、朽ちたような、そんな感じでした。
鐘楼は古い茅葺き屋根の建物ですが、改修工事中のため周囲は柵で囲ってありました。
百地蔵堂は、小ぢんまりとした古い木造の建物です。味わいがあるというよりも、放置されて朽ちかかったような印象を受けました。
絵馬堂は四阿のような建物で、一部に壁があります。内部にはいろいろと掲示物があるようでしたが、字や絵が褪せてしまって何が何だかわかりませんでした。

 

坂東十番札所の名が泣く

境内の建物の中で一番ひどかったのが、薬師堂です。まず「!!」「高石軍団」「参上」という落書きが目に留まりました。白い壁に赤で書かれていて、結構目立ちます。このほかにも壁じゅうに落書きがありました。落書きをする側の愚劣さは言うまでもありませんが、その落書きが放置されたままになっているとは…。
それから正面の賽銭箱の上に、裸電球が点いていました。あまりにも風情がなさすぎるし、いかにも荒れているような印象を受けます。
落書きといい、裸電球といい、この寺院は一体どうなっているのでしょうか?まして2014年は午歳特別結縁巡礼の年にあたり、例年以上に多くの客がお参りするのに…。これでは坂東10番札所の名が泣きます。

 

本当に大丈夫なのか?

最後に観音堂へ行きました。観音堂にも裸電球が点いていて、またもやがっかりさせられました。ここまで荒れた様子を見せられると、本当に観音様とご縁を結んでよいのか迷ってしまいます(観音様には失礼かもしれませんが)。でも決まり事だからと割り切って、賽銭をあげて合掌し、手綱を取って観音様とご縁を結んできました。
そして「このお寺は本当に大丈夫なのか?」という、何ともすっきりしない思いを抱きながら、岩殿観音を後にしました。
最後に、この寺院の見どころをあえて挙げるとすれば、大イチョウと石仏群でしょう。大イチョウは樹齢700年を数え、根元から太い幹が何株にも分かれて、ひとまとまりの立派な木を形成しています。石仏は、観音堂の正面に向かって右側の切り立った山肌に、何十体も並んで安置されています。よく見ると、それぞれが違ったしぐさや表情を見せています


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