采女の悲恋伝説 Takomin 参拝記 3/5
采女神社は猿沢池の西北に位置していますが、奈良時代に帝の寵愛を受けていた采女の伝説があるのです。采女は後宮で帝の給仕を担当する女官の事ですが、職務上帝と接する機会も多く、帝の寵愛を受けるという事もあったそうです。奈良時代のある采女は、せっかく寵愛を受けていたのに、その愛がだんだんと遠のいていった事を悟り、それを嘆いて猿沢池のほとりの柳の木に衣をかけ、入水したといわれています。そしてその采女の霊を慰めるために采女を祀る神社を建てたわけだそうです。
しかし、亡くなった采女の魂が癒される事はなく、自分が身を投げた猿沢池を見るのは忍びないという事で、一夜にして神社は向きを後ろ向きに変えてしまったと伝わっています。それを聞いて、確かに自分が身を投げた池を見るのは辛いだろうと思いました。しかし、21世紀の現代は、いろいろな建物が建っていて、猿沢の池の逆方面、つまり後ろ向きの方は、はっきりいって眺めが良くありません。もし采女の魂がまださまよっているとしたら、こんなはずではなかった・・・などと、思っているかもしれません。
そして、この猿沢池にはもともと竜がいて、善達竜王が住んでいると信じられていたそうで、竜を水神として信仰している人jも多かったそうです。しかし、竜は采女がこの池に身を投げた事で池が穢れたと嫌い、この地を離れて春日山の方に居を移したといわれています。そういえば、采女神社は春日神社の末社でもあるそうです。
この采女の霊を慰めるために、中秋の名月の頃に采女祭りというのが開催されます。今でも行われていて、お渡り式や例祭などが夕方の17時から行われるそうですが、その時のお渡り式にはミス奈良も参加するというのが、時代ですね。
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