なじみのお寺
弘明寺は、坂東三十三観音の中で一番なじみのあるお寺です。以前横浜に住んでいたころは、自宅近くの停留所から弘明寺方面に行くバスがたくさん出ていたので、ときどき足を運んでいました。仁王門をくぐって石段を何段も上ってから本堂にたどり着き、賽銭をあげてお祈りすると、「弘明寺にお参りした」というちょっとした達成感が味わえます。境内からは古刹の荘重さとともに、下町の人情味のようなものも感じられます。さらに門前の商店街も、弘明寺一帯の下町らしい雰囲気を醸し出すのに一役買っています。
弘明寺商店街
弘明寺の門前には、京急線弘明寺駅と市営地下鉄弘明寺駅を結ぶような形で商店街があります。全長約300mのアーケードには130ほどの店が軒を連ねていて、人通りも多く、下町と呼ぶにふさわしい活気があります。商店街の中で私が個人的に気に入っているのは、ひらがなの「ぐ」を○で囲んだロゴです。以前弘明寺に行ったときに、赤地または紺地に白のロゴを配した幟が商店街全域に掲げられている様子を見たことがありますが、商店街の雰囲気にぴったり合っていてよいと思いました。それから商店街の名物として、藤方豆腐店の豆腐をあげたいと思います。何もかけずにそのままでも、十分おいしくいただけます。
初詣
横浜にいたころ、初詣には弘明寺に行っていました。お正月の弘明寺はにぎやかで、参拝客の行列が境内に入りきらずに商店街の半分以上まで伸びてしまうくらいです。とはいっても、三が日の参拝客数ベスト10にランキングされるようなメジャーな寺社には程遠いのですが、混みすぎず適度ににぎわっているところがかえって気に入りました。車で初詣に行くときは、弘明寺から歩いて10分くらいのところにあるイトーヨーカドーに車を止めてからお参りし、その後にイトーヨーカドーの店内で休憩や買い物をしてから帰りました。実は今の住まいに移ってからも、イトーヨーカドーに車を止めて、とある神社に初詣に行って、その後買い物をします。今年のお正月にその神社でお参りしながら、どこへ行っても同じようなことを繰り返しているものだ、と我ながら苦笑してしまいました。
節分
京急線の車内広告につられて、十数年前に一度だけ弘明寺の節分法会に行ったことがあります。境内には大勢の人が集まっていて(なぜか年配の人が多かったのですが…)、鬼に扮した人が、福豆の授与と称して少量ずつ個包装になった豆をばらまいていました。参加者は童心に帰って我先にと豆をもらおうとしていて、見ているだけでも何とも微笑ましい気持ちになりました。当時すでに恵方巻きが関東でもかなり知られるようになっていて、「豆をまかないから後始末が楽」などという評判も出ていたくらいでしたが、やはり「鬼は外」と言って豆をまくのが節分らしくてよいと思います。
桜の名所
横浜の桜の名所といったら、やっぱり大岡川沿いです。弘明寺商店街の真ん中あたりから始まって、京急線日ノ出町駅のあたりまで3kmほど続きます。川沿いを歩いてみても、京急線の車窓から見ても、見事なまでの桜並木です。車窓から桜を見るなら、黄金町〜南太田間がおすすめです。川に沿った線状の花霞が楽しめます。さらに個人的に面白いと思うのは、川沿いの風景の変化です。上流の弘明寺や井土ヶ谷のあたりは川幅が狭く住宅が多いのですが、下流の日ノ出町に向かうにつれて川幅が広くなり、だんだん繁華街らしくなっていきます。この変化が面白いので、横浜を離れてしばらくたった今でも、桜の時期に時間が取れれば弘明寺にお参りして、その後大岡川の桜並木を歩いて桜木町や伊勢佐木町まで行ってしまうくらいです。
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