石段を上った先の達成感
方丈に寄った後は、来た道とは違う方向に進んで鐘楼へ向かいました。途中に急な石段が数十段もあり、そこを上った先が洪鐘です。
石段を上りながら、私は改めて円覚寺の境内の広さと、起伏の激しさを実感しました。室内でランニングマシーンを坂道モードにして走るよりも、石段を上り下りする方が、自然で健康的な感じがします。
鐘楼に着くと、達成感から、国宝の洪鐘(おおがね)をゴーンと思い切り大きな音で鳴らしてみたいような衝動に駆られました。石段を上りきったことと、広い境内を一通り回ったことで、そうした気分になったのです。そんな風に気をよくした状態で古く大きな鐘を眺めると、「長い間、よく保存してきたものだなあ」とひたすら感心させられるばかりでした。解説によれば、洪鐘は1301年に鋳造されたそうです。実に700年以上も前のことです。
そして鐘楼のそばにある弁天堂にお参りして、「我ながらよく歩いたものだ」と自己満足に浸りながら、円覚寺を後にしました。
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