ある本堂内にある納経場所では2組のお遍路さんが並んでいましたが、若い僧侶が真剣な顔で記帳をされています。
『あれ、私の前の人はあきらかに大師堂へはお参りしてないよね。』と思いながらも最後尾に並んでご本尊や本堂内を改めて見ていると、納経場所とは反対の壁側に上品なおじいさんがいるでは・・・
いえ、ご住職らしき人が座ってらっしゃいます。
柿色のような法衣に、黄白色の衿巻。若い僧侶には申し訳ないですが、纏っている雰囲気と格が違います。
思わず黙礼。手招きされました。
『私ですか?見てはいけなかったのでしょうか?ドキドキします。ちなみにここに並んで待っているのですけど…』と思いながらもそちらへ行くと、手を出されたのです。
『何?』私の脳内葛藤をよそに納経をして、にこやかにお声掛けをしてくれたのです。
お参りの仕方を見ている人はいて、私なりにきちんとお参りをしてきて良かったと思います。
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