遍路 四国八十八ヶ所巡礼 体験記

納経帳は2回目3回目と巡礼を重ねたときに新しいものを用意しても良いのですが、同じ納経帳に朱印だけをいただく“重ね印“もできます。
ちなみに、重ね印だけでも納経料は同じです。

 

巡礼途中、最初に押された朱印の横に並べて、2個3個と並んでいく朱印を何度か目にして「すごい。この人、こんなにも巡っているんだ。」と感心したものです。

 

そしてついに目撃してしまったのです。小口が朱色に染まった納経帳を。
目を見開いて見つめてしまいます。
何回巡礼すれば納経帳の小口が朱色に染まるのか、「凄い」を通り越して言葉がありません。

 

50才前後のご夫婦ですが、凝視している私を見てにっこり笑うと、ものすごくありがたそうな納経帳を私の頭に軽く載せてから納経所へと行かれたのです。
まさに“菩薩のような”という言葉がぴったりの表情をしたご夫婦です。
年を重ねたとき、あんな表情のひとになりたいと。

 

あれから14年、少しは近づけたのか・・・


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4.朱色に染まった納経帳関連ページ

1.朝日を浴びて
“三十二番札所 禅師峰寺”の見上げる石段もなんのその、朝一のお寺をお参りし・・・遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
2.神々しい光景
驚いたのは、数百m続く砂浜に靄がかかっているのです。海の向かいが切り立った崖になっているからでしょうか。そしてその砂浜には今までに1度も見たことのない数の鳶が。遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
3.お線香3本の意味
ねえさん、お線香の1本はこのお寺のご本尊様に。1本はあなたのご先祖様のために。1本はねえさん、あんた自身のために。全部で3本立てるものだよ。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
5.「お賽銭をあげる」は失礼
何か分からずお賽銭を奉納すると『お賽銭をあげる』という心情になるのが、『先祖代々のために』と思うと自然と『奉納する』という心持ちになる 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
6.思い出すのは栗拾い
茂串山の標高300m辺りに、“三十七番札所 岩本寺”はあります。山道を車で進んでいると、この山道のどこかで栗拾いをしたのを思い出します 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
7.母強し?いえ…
生まれて初めての栗拾い。イガと格闘しながら栗の実を取り、袋に入れていきます。手が痛かったのと、とても楽しかったのを覚えています。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
8.今度行ったり来たりするのは 思考
“足摺岬”に向かって国道56号線を走ります。移動距離が長いと、いろいろなことを考えます。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
9.足摺岬の思い出
瀬戸内海で育った私は、海とはぽこぽこと島があり穏やかなものという認識でしたので、延々と続く海岸線や太平洋という遙か彼方向こうに水平線が見える景色とは無縁でした。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
10.海で泳ぐ?波にたたきつけられた海水浴
瀬戸内海と太平洋では、波の強さ、勢いがあまりにも違ったのです 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
11.ひたすら待つしかない納経所
誰もが早く次のお寺へ向けて出発したいと思っているはずなのに、“待つことも修行の一つ”と文句を言うこともなく静かに並んで待っています。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
12.千差万別の納経所
日も暮れかけた山深い場所のお寺では、歩き遍路の方はこれから歩いて山を降りるわけですから『先にしてあげればいいのに。』『お先にどうぞと言えないのかしら。』、『歩き遍路の方を優先しても誰も文句は言わないでしょうよ。』と思うことがありました。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
13.“優先順位”があってしかるべきかと
歩き遍路は山中で日が暮れてしまうと、真っ暗闇では下山できないので野宿をしなければいけない。行程中で1度や2度は必ずある修行だから、寝袋は必ず持って行きなさいと言うんだよ。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
14.ご住職は見ています
柿色のような法衣に、黄白色の衿巻。若い僧侶には申し訳ないですが、纏っている雰囲気と格が違います。思わず黙礼。遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
15.108の煩悩
発心、修行の道場が終わって菩提の道場へと進みますが、はたして悟りの境地に達することが出来るのかどうかというより、108個もある煩悩を断ち切ることが出来るのか… 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
16.煩悩にまみれる
道沿いには“ジャコ天”の看板が立ち並んで私を誘いますが、ジャコ(雑魚)は魚ですから精進料理にはなりません。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。
17.何を想うのか
食欲という煩悩にまみれながら、今晩のメニューは昆布のおむすびに海藻サラダ、わかめの味噌汁です。ジャコ天の代わりに、海鮮尽くしの精進料理風。 遍路 四国八十八ヶ所巡礼の沙依さんの巡礼記3日目。