祥雲寺

1.迫る山と崖。

そのお寺の行く道には心臓破りの坂がある。木更津駅からタクシーを使う事もあったけれど、必ずこの坂の前で降ろしてもらった。子供ながらに「壁」の様に見えた、長くはないが三階分くらいの坂を一気に登ると寺の表に辿りつく。山のほぼ頂上、崖を背に建つのが、毎年、親戚の手伝いで訪れていた祥雲寺。登り切って、振り返ると、木更津の町が見渡せる。東京のあまり起伏のない場所で育った私は、東京タワーなどのガラス越しではなく見る事のできる景色が好きだった。本堂の後ろ崖が迫っているせいか、寺全体が山を背負っているような印象を受ける。大雨が降ると「大丈夫かなあ…」と毎度思うような崖なのだが、何も起きた事はない。粘土質だからとか、木が繁ってるからとか、理由はあるようだが、「寺だから」という、おそらく一番非科学的な根拠が私にはしっくり来る。


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お施餓鬼の思い出 祥雲寺
夏の終わり、山の木は繁りつつも葉を落とします。そこで、小学生の私に下された指令は本道前の道の掃き掃除、使うのは竹箒。 千葉県木更津市の祥雲寺社の参拝記。住所、宗派、交通アクセス、開門時間、駐車場、パワースポットなどの情報と、個人的な体験、食事、宿などの話題も