路地裏にあって、古くて赤い山門が特徴的なお寺です。ところが門をくぐると正面に見えたのは新しい本堂です。後で調べてみたところ、山門以外の建物は戦火で焼失してしまい、現在の本堂は平成14年に改築されたとか―。古い山門と新しい本堂のコントラストは、ある意味でお寺の歴史を表しているといえるのでしょう。さて本堂は新しいながらも、根生院には歴史を感じさせるものがいろいろとありました。山門の脇には庚申塔、境内には大日如来の像や薬師瑠璃光如来の線刻、歌碑などがあります。ところで本堂に据えてある賽銭箱には、三つ葉葵の紋がありました。現在の境内は小ぢんまりとしていますが、もともとは徳川幕府西の丸祈願所として建立されたという経緯が意外なところに表れています。
あおきリサ (40代女性) 2017年6月上旬