東白鬚公園を歩いていると、隅田川の方向に何かが見えました。よく見ると相輪のようです。「木母寺に違いない」と思って近づいてみると、案の定木母寺の門に着きました。門といっても仏教寺院によく見られるような屋根付きの山門ではなく、学校の門を小さくしたような感じです。
門から境内全体を眺めると、左手にはモダンな造りの本堂、右手前には梅若念仏堂と梅若塚、そして右手奥に納骨堂がありました。念仏堂と梅若塚の古さと、本堂と納骨堂の新しさが、何とも対照的で面白いです。このコントラストが、木母寺の特徴をよく表しているような気がしました。また公園を歩いていて見えたのは、納骨堂の屋根の上の相輪だとわかりました。
境内に入るとまず、念仏堂と梅若塚の周辺を歩いてみることにしました。古い石碑が、念仏堂と梅若塚を囲むようにたくさん並んでいて、木母寺の歴史を物語っているようです。
次に本堂へ参拝し、その周辺を散策してみました。本堂の周りにも、古い石造物がたくさんあります。その中では、外階段の下にある人頭蛇身の石像が特に目につきました。宇賀神のようです。見た目は奇妙ですが花が供えられているあたりに、大切にされている様子がうかがえました。
その後お寺のパンフレットをもらい、納骨堂の周辺をざっと眺めてから境内を後にしました。パンフレットによると、納骨堂は過去の宗旨・宗派や国籍を問わずに利用申し込みができるとか…。こんなところにも、木母寺の新しさが表れていました。
梅若伝説で知られる木母寺に初めて行った印象は、古さと新しさを併せ持っている、といったところです。
Lisa Aoki 2018