回向院

江戸東京博物館で「大妖怪展」を見たついでに立ち寄りました。境内には古い供養塔や仏像がたくさんあって、周りを近代的なビルに囲まれているにもかかわらず、落ち着いた空間を作り出していました。特に明暦大火の供養塔、海難供養塔、鼠小僧次郎吉の墓などがある一帯には、独特の厳粛な空気が流れていて、いるだけで身が引き締まるようでした。下手なことをしたら罰が当たってしまいそうな感じです。その一方、馬頭観音堂や動物慰霊碑の周辺には、ペットの名前が書かれた卒塔婆がものすごく多く並んでいて、ペットを家族の一員として扱う現代のトレンドを反映しているように思いました。手厚く供養してもらって、ペットもきちんと成仏できたことでしょう。このような古さと新しさのコントラストが面白かったです。回向院のおかげで、展覧会の人混みにひどくうんざりしていた私は、気持ちをリセットできたような気がします。
あおき・リサ (40代女性) 体験時期 2016年8月後半