杉並区 古寺と古社 仏像と神像

小さな手で植えられた木々が境内に繁る

この時期になると思い出すことがある。私が植えた木は今どこにあるだろうか。馬橋稲荷神社では毎年小学校に上がる氏子にお祓いをし、境内に植樹をするという行事が行われる。かくいう私も入学式の前に親に連れられお祓いをしてもらった口である。いつもは外から覗き見るだけの社殿の中に入るだけでも、子供ながらに緊張したのを覚えている。6歳の私には社殿の中の不思議な香りと祝詞とお祓いで神主さんに魔法でもかけられているようだった。そのあと小さな苗木を境内に植樹したのだが、どこに何の木を植えたか残念ながら覚えていない。今もお祓いと植樹は続いていて、境内には大きな木に交じって、まるで見守られるように小さな木がぽつぽつと植わっている。境内のどこかで私が植えた木もひっそりと育っているに違いない。
By アリカワサトコ30代女性
時期:1987年4月