三つ子の魂なんとやら 久我山稲荷神社
今から約30年前私が久我山の某幼稚園に通っていた頃の話である。その幼稚園は運動場も広く遊具も豊富であり、同級生たちは毎日元気に走り回っていた。もちろん私もその仲間に入って走り回った記憶もあるのだが、私の場合幼稚園の思い出というと一番に思い出すのが、幼稚園の隣にあった小さい稲荷神社での記憶である。何故だか覚えていないが私は幼稚園の授業をひとり抜け出してはよくこの神社に遊びに行っていた。特にいじめられたり怒られたりした記憶もないが、幼稚園の校庭の低い柵を越え神社の境内に入ると自分は自由であると感じていたのかもしれない。社務所もなく人が常駐している神社ではなかったのだろう。私は一人、神社のひんやりとする木陰の下でぼんやりしたり、木に生えているキノコを観察したりしてほぼ毎日過ごしていた。そうして校舎から先生の自分を探す声が聞こえてくると、私は現実に引き戻されるように重い腰を上げこっそりと教室に戻るということを繰り返していたのである。今思えば何て迷惑な園児だったのかと思うし、先生方の苦労を思うと申し訳ない気持ちでいっぱいになる。そのくらいの分別を持つくらいには私も大人になったのだろう。変わっていない事と言えば、寺社仏閣巡りが好きで気になった寺社があればふらっと寄り道してしまうところぐらいか・・・。あぁ、やはりそんなに昔と変わっていないようである。
By yasojima(30代女性)
時期:約30年前