成子天神社

1.表参道を歩く

西新宿というと高層ビル街のイメージがありますが、青梅街道の北側では生活感のある街並みが広がっています。成子天神社は、そうした街並みの一角にあります。
青梅街道に面した社号標と、少し先に見える赤い鳥居を目印として表参道に入ると、両側には草木がたくさん生えていて、さらにその外側にはマンションが建っていました。表参道はマンションに挟まれていますが、間に草木があるおかげで圧迫感は全くといってよいほどありません。草木はあまり高くなく、手を加えすぎない程度に手入れされていました。個人的には、一見無造作なようで、実は程よく手入れされている様子に好感が持てます。
少し歩くと、七福神の恵比寿の像が見えました。大黒天の像も見えます。この先はどこに七福神の像があるのか、と期待しながらさらに参道を進むと、目印となった赤い鳥居に着きました。

 

2.神社の歴史を知る

鳥居をくぐった先には、かつてこの地域で獲れた成子ウリの解説板と、神社の由緒を書いた解説板がありました。成子ウリというのは、この解説で初めて知りました。また両方の解説を読んでみると、神社の周辺地域は歴史が古いことや、かつて柏木という地名だったことなどがわかります。神社の建物が全体的に新しいのは平成26年の御造営のためで、神社そのものは古くから続いていることもわかりました。解説を通して、自分が全く知らなかった世界を教えてもらったような気がします。
解説を一通り読んだ後、参道に目をやると、古い扁額と瓦、そして毘沙門天の像が見えました。扁額と瓦は、神社の歴史の生き証人といったところでしょう。そしてさらに進み、二層の楼門をくぐりました。

 

3.ようやく本殿へ

楼門の先には、開放的な空間が広がっていました。参道は本殿までまっすぐ続いています。境内の中心部では、御神木の夫婦イチョウの雌木がひときわ大きくそびえていました。参道の右側にある社務所の前には、撫牛の像と絵馬掛けがありました。牛の像を見ると、天神様にお参りしていることが実感できます。私が行ったとき、絵馬はそれほど多くありませんでしたが、これから受験シーズンが進むにつれて合格祈願の絵馬がもっと増えることになるでしょう。
そしてようやく本殿にお参りしました。参道に入ってから本殿に着くまでの間に、いろいろと見るものがあったような気がします。
その後本殿の正面左側を見ると、新宿区の有形民俗文化財に指定されている力石がありました。さらにその左側、北参道の入り口には福禄寿の像がありました。見どころはまだまだありそうです。

 

4.個性豊かな末社

本殿に参拝した後は、末社にも足を運んでみることにしました。
まず目についたのは、水神宮です。三角の鳥居に囲まれたポンプ井戸が特徴的です。ポンプ井戸そのものが珍しいといえるし、墨田区向島の三囲神社にある三角鳥居と似たようなものを、約1か月後に別の場所で見るのも意外でした。
井戸のそばには水神宮の小さな社殿があり、その左隣には鳴子稲荷神社、大神宮、大鳥神社、そして弁財天の像がありました。鳴子稲荷神社では、赤い前掛けを着けた小さなキツネの像がかわいらしかったです。大神宮の社殿は他の末社よりも大きくどっしりした感じで、ご祭神(天照皇大神)の神位の高さを表しているようです。大鳥神社は、どこかわびた風情があります。
水神宮、鳴子稲荷神社、大神宮、大鳥神社のいずれも、ご祭神の名前を書いた札が社殿に貼ってありました。神社に詳しくない参拝者にとってはありがたいです。
末社というのはともすると目が向きにくくなりがちですが、成子天神社の末社はそれぞれの個性がよく出ていたので面白かったと思います。

 

5.富士塚

お参りの最後に、富士塚へ行ってみました。
富士塚には、本殿の正面左側にある北参道を通って行きます。北参道の入り口には福禄寿像、そして富士塚へ向かう途中に夫婦イチョウの雄木、寿老人像、布袋像などがあって、参拝者を退屈させません。何か面白そうなものがある、とワクワクしながら参道を進みました。
富士塚の入り口に着くと、かなり大きいのに気づきました。解説によると、高さは約12メートルあり、新宿区内で最大規模の富士塚だそうです。区外の神社の富士塚と比べてみても、規模が大きいといえます。塚の中腹から麓にかけてはツツジがたくさん生えていたので、花の咲くころにはまた違った雰囲気が味わえるのではないかと思いました。
富士塚を一通り眺めた後は、末社の浅間神社と木花咲耶姫を拝み、成子天神社を後にしました。

 

Lisa Aoki Nov 2018


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