十二社熊野神社

新宿駅西口から高層ビル街を抜けた先、新宿中央公園に鎮座する熊野神社の存在は、ずっと前から知っていました。しかしながらお参りしたのは今回が初めてです。東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館で開催された展覧会に行ったついでに、行ってみようと思い立ったのです。
境内を散策して気づいたのは、神社の厳かさや公園の緑と、高層ビル街特有の雰囲気が調和していることです。神社には十二社の碑や末社大鳥神社の狛犬など古い石造物がたくさんあって、近代的な高層ビル群とは一種のコントラストを形成しているといえますが、分断されている感じは全くないのです。子供の頃に見た高層ビル街はどこか無機的で、公園や神社とも切り離されたような感じでしたが…両者が調和しているように見えるのは、年月が経って街が成熟してきたことの表れともいってよいかもしれません。
神社は全体として、開放感があって落ち着いた印象がありました。散策しているとどこかほっとします。開放感があるのは、高層ビル街と神社の間に公園があるからなのでしょう。
Lisa Aoki 2018