1.参拝のきっかけ
青山通りに沿って赤い千本幟が並んでいるのがとにかく目立つ、豊川稲荷東京別院。私が初めて幟を目にしたのは2016年の春、近くで活動する団体の月例会にゲストで参加した時のことでした。「境内はまあまあ広そうだし、見どころもたくさんありそうだから、いつか行ってみよう」と思ったのはよかったのですが、その間にいろいろあってなかなか足を運べず、実現したのは2年も後になってしまいました。
2018年4月のある日、豊川稲荷東京別院をようやく参拝できました。その日は穏やかに晴れた日で、平日にもかかわらず大勢の参拝客が訪れていました。境内には狐の像がとにかくたくさんあり、限られた広さの中に見どころがぎっしり詰まっているような印象がありました。
2.七福神巡り
豊川稲荷東京別院の境内では、七福神巡りができます。
最初に出会ったのは恵比寿で、山門を入ってすぐ右手に像があります。像の脇にはスタンプが設置されていますが、私は台紙を持っていなかったので、スタンプを押す代わりに恵比寿の像の写真を撮りました。
その後は本殿や大岡廟、霊狐塚、奥の院といった他の見どころを拝観しながら、寿老人、大黒天、弁財天、福禄寿、布袋、毘沙門天の順にお参りし、それぞれの像を写真に収めました。
七福神の像は一か所に集中しているのではなく、境内のあちこちに点在していて、七福神巡りをすれば境内を一通り拝観できるようになっています。参拝者が楽しめるように、なかなか工夫された演出だと思いました。
3.本殿とその周辺
山門を入って恵比寿、寿老人、子宝観音、大黒堂の順に拝観した後、本殿にお参りしました。建物はどっしりとしていて、いかにも本殿といった感じです。中に入ってみるとやはりどっしりした祭壇があり、歴史や格式を感じるとともに、多くの人の信仰を集める寺社ならではの親しみやすさも感じられました。
本殿の左側には融通稲荷があり、真心を込めて信心すると金銀財宝の融通が叶えられる、という言い伝えがあるそうです。融通金を受けたら1年後に礼金として奉納する習わしがある、という点がユニークだと思いました。
融通稲荷の奥には弁財天と叶稲荷があります。弁財天に供えられていた、白い蛇の小さな置物がかわいらしかったです。また叶稲荷では、鳥に荒らされないよう、社殿の脇にある戸棚に供え物を入れるようになっていました。特徴的であると同時に、工夫のあとがうかがえます。
4.大岡廟と霊狐塚
本殿や融通稲荷などを拝観した後は、大岡廟、霊狐塚などを見て回りました。
大岡廟は大岡越前守忠相の廟所で、八角堂になっているのが特徴的でした。廟所はたいてい境内の奥や隅にあるようなイメージがありますが、大岡廟は本殿のすぐ近くで、大勢の参拝者が通るところにある点が珍しいと思いました。
大岡廟、霊狐塚、そして奥の院の周辺には、大小・新旧のさまざまな石造物があります。主な石造物は布袋、摩利支天、福禄寿、身代わり地蔵などです。他方で古い狐の像や小さい祠といった石造物は小さくてあまり目立ちませんが、歴史や格式とともに親しみやすさがある境内の雰囲気を作り出すのに一役も二役も買っていました。
石造物を眺めながら境内を歩くと、おびただしい数の狐の像がある場所に着きました。霊狐塚です。これでもか、というくらいたくさんの狐の像が並んでいる様子は、豊川稲荷東京別院ならではのユニークな見どころといえそうです。
5.奥の院、三神殿、そして愛染明王
奥の院といえば、高野山金剛峰寺のように本堂から離れた場所にあるイメージがありますが、豊川稲荷東京別院の奥の院は、そうではありません。境内の割とわかりやすい場所にあります。といっても奥の院は山門から離れているうえ、朱塗りの鳥居から始まって、両側にたくさんの幟が並んだ参道の先にあるので、やはり奥の院の名にふさわしいといえるでしょう。奥の院も本殿と同様に建物の中に入れますが、本殿よりも内装がずっとすっきりした感じでした。
奥の院の左側には三神殿があります。ここには太郎稲荷、宇賀神王、徳七郎稲荷が祀られていて、御利益はそれぞれ異なります。ダイコンやニンジンが、先端を切った状態で立てて供えられているところが妙に印象に残りました。なぜそのようにしているのかはわかりませんが…。
三神殿の奥にあるのが愛染明王です。愛染明王の石像と、その両側に懸けられているハート形の絵馬が、なんとも言えないコントラストを形成していました。
Lisa Aoki Apl 2018
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