東京の中でも国際色が豊かな広尾に立地する小さな神社に、日本人で初めての近代洋画家とされる高橋由一の墨龍図があるというので訪れてみました。拝殿でお参りすると、お賽銭箱の横に「拝殿の墨龍図を拝観したい方は社務所にお声がけください」との小さな看板が目に入りました。何と社務所に声をかければ拝殿に上がって、無料で墨龍図を眺めることができるのです。拝殿の天井を駆け巡るように描かれた墨龍の姿は何かが宿っているような神聖なものに感じられました。「よくぞこれだけのものが都心に残っていたなぁ」と思わずにはいられませんでした。この広尾稲荷神社には墨龍図の他に、現存するのが珍しい庚申塚も残されています。小さい神社ですが、これからも末永く続いて欲しいものです。
お稲荷 (20代男性) 体験時期 2016年11月