湯島天満宮(湯島天神)

1.御茶ノ水駅から湯島天神へ

私が初めて湯島天神へ行ったのは、2015年の早春、梅の咲く頃でした。その日は御茶ノ水で用事がありましたが、約束の時間までしばらく間があったので、湯島天神にお参りすることに決めたのです。
JR御茶ノ水駅の聖橋口を出て聖橋を渡り、清水坂と呼ばれる坂を上っていくと、突き当たりに湯島天神があります。途中には坂についての解説や旧町名案内があり、面白そうなので清水坂をまっすぐ上らず、あちこち寄り道しながら湯島天神へ向かうことにしました。
途中で右に曲がり、妻恋坂を下りてみました。坂に沿って妻恋神社があったので、お参りしました。表現が適切かどうかはわかりませんが、妻恋神社への参拝はいわば前哨戦、ウォーミングアップのような感じです。
妻恋坂を下りた後は、左に曲がって少し進み、さらに左に曲がって、今度は三組(みくみ)坂を上ってみました。三組坂のあたりは、かつて湯島三組町といったそうです。旧町名案内を読んでみて、町の歴史を大切にし、後世に伝えてほしいと願わずにはいられませんでした。
坂を上って清水坂に戻ったら右に曲がり、湯島天神へ向かいました。

 

2.悪天候の中で混み合った境内

銅製の表鳥居をくぐると、手水舎で手を清め、拝殿へお参りしました。ここまでは神社ではお決まりのことです。問題はこの後でした。神社では梅祭りが開かれていて、境内は多くの人でにぎわっていたのです。行った日は小雨がちらついていたので、傘をさしていた人が多く、余計に混み合っているような感じでした。私はどこに何があるのかわからないまま、境内を適当に歩いてみることにしました。
人混みの中で、御神牛と筆塚(泉鏡花)を見つけました。これがあると「天神様に来た」という気分になれます。このほか奇縁氷人石や、近くの小学校の卒業生が記念植樹した梅の木もありました。梅の花はちょうど見ごろを迎えていましたが、混雑と悪天候が重なって、じっくり鑑賞するどころではありませんでした。

 

3.津軽三味線

境内をしばらく歩いていると、本殿の裏手の方から何かが聞こえてきました。行ってみると、揃いの和服を着た十数人くらいの集団が、仮設のステージで津軽三味線の演奏をしていたのです。ステージの前には人だかりができていましたが、三味線の演奏を聴くことは滅多にないので、一通り聴いてみることにしました。
演奏している様子を見て、友人が言ったことを思い出しました。高校時代に吹奏楽部に所属していたその友人によれば、屋外で演奏すると楽器が傷むそうです。このため屋外での演奏を嫌う人も少なくないとか…。悪天候の屋外で演奏すると、楽器への負荷がなおさら大きくなるような気がします。
演目そのものや演奏の良し悪しについて、私は全くわかりません。でも演奏した方々がこの日のために練習を重ね、しかも天気の悪い中で演奏してくださったことを感謝し、ねぎらいたいと思いました。
演奏が終わったところで約束の時間が近づいたので、その後は待ち合わせの場所へ向かい、用事を済ませることにしました。

 

4.「利休を越えた織部とは―?」を見て

梅祭りから半年以上たった後、再び湯島天神を訪れました。湯島天神の宝物殿で開催されている「利休を越えた織部とは―?」を見るためです。
この展覧会では、古田織部が自らデザインした茶道具をはじめ、書状や和歌、絵画などが展示されていました。展示の中で特に面白かったのは、古田織部と主君の信長・秀吉・秀頼・家康・秀忠との関係についての解説です。織部が人間関係に配慮したうえで茶道具を選んだ、といったエピソードには、とても興味深いものがありました。詳細は忘れてしまいましたが…。
ところでこの展覧会は、茶道具を展示した他の展覧会に比べると、60歳以下の世代の人が多かったような気がします。茶道具の展覧会は、ともすれば高齢者ばかりが集まりがちです。そのような展覧会を60歳以下の世代にアピールするには、そうした世代の人の目につきやすいところに広告を出すことが、一つの有効な方法ではないかと思いました。実は、私は東京メトロの複数の駅でポスターを見て、この展覧会を知ったのです。

 

5.前回見落としていたものに気付く

茶道具を鑑賞した後は、境内を散策しました。境内は梅祭りの頃よりもずっと人が少なかったので、ゆったりと散策できました。
湯島天神の境内には、石碑が案外多いです。前回見落としていて今回になって気付いた石碑には、包丁塚、小唄顕彰碑、新派碑、文具至宝碑、講談高座碑、王貞治努力碑、都都逸之碑などがあります。湯島天神は学問の神様を祀っていることから、多くの人が神社を参拝し、学問、芸術、技術などを極めたいと願って石碑を建てたのではないか、と勝手に推測してしまいました。
このほか笹塚稲荷神社、戸隠神社といった境内末社や、ガス灯や日時計などどこか懐かしいものもありました。湯島天神の境内はそれほど広いとはいえませんが、見どころがたくさんあると思います。
このように、今回は境内を散策してたくさんの気付きがありました。展覧会のついでだったとはいえ、散策してよかったと思います。

 

2015年10月掲載


筆塚 これがあると「天神様に来た」 PingPongBooks参拝記 湯島天満宮関連ページ

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