駒形神社

小学校への通学路だった駒形神社で、除夜の鐘がつけると知ったのは、いつの頃だっただろうか。記憶が確かなら、多分成人してからだっただと思う。気が付けば神社での鐘つきは、家族での恒例行事となっていた。深夜の初詣に向かう人の列、破魔矢を売る掛け声、お囃子の音色、どんど焼きの炎などの光景を、実家を離れて10年近く経った今でも鮮明に覚えている。大晦日に実家に帰る際は、ほぼ毎回鐘をつきに行くのだが、今でも何となく緊張してしまう。この瞬間は煩悩どころではないから、鐘をついて煩悩を払うというのは、ある程度理にかなっているのかもしれない。今は親と行っているが、いつか子どもができたらその子にも「除夜の鐘つき」を伝えたい。
あきしま☆くじらん (30代女性) 2000年以降の大晦日