武州川口七福神の中で最後に行ったのが、恵美寿神の傑傳寺です。境内に入ると、まずユニークな本堂が目に飛び込んできます。一言でいえば、寺院らしくない建物なのです。エキゾチックというか、ハイカラというか…どこかの古い洋館のような趣があります。その一方で、本堂の裏側にある歴代住職の墓所にかなり古い墓石があることから、傑傳寺が古くから続いているお寺だということがわかります。本堂の手前にある恵美寿堂は、小ぢんまりとまとまった印象を受けました。解説によると、恵比須神は「恵比寿」「夷」などと表記することがありますが、傑傳寺では「恵美寿」と表記しているそうです。傑傳寺は武州川口七福神霊場会の事務局を務めていることもあり、「恵美寿」の表記から一種の意気込みやこだわりのようなものが感じられました。このほか、ウェブサイトに載っていないユニークな点として、「犬猫霊墓」と刻まれた供養塔をあげたいと思います。ペットも家族の一員とする風潮を反映しているような気がしました。さて今回で、川口七福神のお寺全てにお参りしました。それぞれのお寺に個性があり、ユニークな見どころがあったのがよかったと思います。
pingpongbooks 40代女性 2015年10月