時雨亭と傘亭 高台寺参拝記6
霊屋からさらに東へ山の傾斜に沿った石段を登って行くと、林の中に向かい合ったお茶室があります。近くまで行くと、それを廊下(土間と言ったほうが正しいかもしれません)で繋いであって、外からでもそれぞれの茶室の中まで覗くことが出来るように戸が開けられていました。傘亭は大きな屋根で天井の高い一階建て、時雨亭の方は一階部分が天井の低い二階建てになっていて、上階部分にお茶を立てるスペースがとられています。二階建てのお茶室と言うのは見たことがなかったので、順路案内に立っていらした方に思わず確認しました。互いに向きあう時雨亭と傘亭は、何百年も昔に作られた純和風なのに見れば見るほど前衛的で不思議な空間になっていました。建築として挑戦的と言ってもいいかもしれません。千利休ゆかりの茶室なので、いわゆるワビサビの要素もありますが、発想が現代でも前衛的かつ挑戦的と思えるほど新しく、ワビサビについてもう一度考え直そうかなと思いました。
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