1番札所 霊山寺

いざ行かん、四国88箇所の旅

今回は、四国に入って1番札所に行ったときのことを書きます。
もともと88箇所が目的で四国に来ようと思ったわけではありませんでした。大学4年夏、すでに単位も取り終わって、就職先も決めていた私と、ルームメイトの友人は学生時代の最後の思い出として、日本一周貧乏旅行を計画しました。
移動手段は友人の愛車、日産キューブ。テントや寝袋など、露営必要品をごっそり詰め込んで出発しました。車は友人たちのいたずら書きで、一目で貧乏旅行中だとわかるようなものになっていました。
旅は順調に進み、四国に行く前には、すでに東北、北海道、関東、中部、関西を通過していました。
その場の思いつきで、いろんなところに寄って、無理やりテーマを作って旅をしていました。
たとえば、佐渡島ではレンタルサイクルで一周、とか。
四国に入るときも何かテーマを作ろうという話になりました。
話はすぐに88箇所めぐり、でまとまりました。なので、私も友人も信仰心から始めたわけではなかったんです。正直に言います。
淡路島を経由して、高速で四国に入りました。まずは徳島です。うわさに聞いていた鳴門の渦に感激しました。
一番札所の霊山寺を目指します。私も友人も初めての四国でした。
わりあいあっさり着いたように記憶しています。
88箇所無事に回れますように、とお祈りしてから、まず車で回れるものなのかなど基本的な知識がぜんぜんないので、お寺の関係者の方にいろいろとお聞きしました。
今は、徒歩で回られる方のほかに、バスで回るツアー客や、自転車で回る方、バイクで回る方まど、皆さん思い思いの方法で回られているんだというようなお話を伺いました。
88箇所を巡るのは、いったいどれくらい時間がかかるんだろうと思いながら、本堂や門の前で写真をとらせてもらって、ちょっと心が清らかに成り始めているような思いこみをしながら、これから始まる四国のたびに興奮していました。
そして、初めて見る白い衣装を着て、杖を持って徒歩で88箇所巡りをする方に興味深深でした。
真夏だったので、相当につらいであろうことが容易に想像できました。

みなそれぞれ、事情を抱えているんだろうと思いました。いったいどんな事情だろうと勝手に想像したりもしました。

 

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