古寺と古社 巡礼と遍路

遷宮について
2013年に伊勢神宮が遷宮を行い、同時期に平成の大遷宮と呼び遷宮行っていた出雲大社こともあり、言葉として有名になった「遷宮」。読んで字のごとく「宮を遷す」事を指し、新しい社を立て、ご神体を遷すことを言います。中でも、定期的に行われる遷宮は「式年遷宮」と呼ばれています。なお、出雲大社は数年にまたがって遷宮をおこなうので式年遷宮にはあたりません(今回の遷宮は2008年から2016年まで8年かかりました)。遷宮周期は伊勢神宮は20年毎、2015年に遷宮の行われた賀茂別雷神社は21年毎、住吉大社は30年毎など、神社によって異なります。出雲大社や60年周期の豊受大神社を除けば、何回遷宮を行ったかと言うのが神社の古さの目安や、神社としての由緒正しさのステータスとも言えます。

 

1897年に古社寺保存法が始まり、現在の重要文化財に指定されている神社は建物を建て替えるのではなく、修理や葺き替えなどに留まり、ご神体を動かさないこともあります。例えば、上記の賀茂別雷神社はふたつの権殿があるため、ご神体を動かしますが、賀茂御祖神社はご神体を動かさず修理だけを行います。
作るのに長期間かかる代わりに、一度作ってしまえば石の文化とは異なり、建てるのに石ほど時間は掛かりませんが、天災や劣化を踏まえた木の文化の日本ならではの習慣とも言えます。さらに、神社に限って言うならば、社はご神体のためにある場所、お祭りされた神様が降りて来てくる場所として、常に気持ちよくいらしていただけるようにと言う心遣いのようなものが見える気がします。

 

By Satoko 2016/6


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