3年前の春、日本で最初の世界文化遺産となった奈良県の法隆寺を訪ねました。歴史の浅い地方で生まれ育った私にとっては、「斑鳩」という地名を聞いただけでも胸躍る旅のひとつでした。大阪方面からレンタカーで向かうと、途中「大和川」という河川に出会います。川の名前が「ヤマト」です。地元の方には日常の名称でも、初めて訪ねる私には、この川の名前にも悠久を感じざるを得ませんでした。大和川との出合いから、ほどなく目指す法隆寺にたどり着きました。まず目に入るのが、そびえ立つ五重塔。「何年前の建物?」「本当にここに聖徳太子がいたの?」などと、素朴な疑問が頭をよぎるなか境内へ。広い。想像以上に広い。境内の全体像をつかめないまま回廊を渡り、金堂へ向かう。「うん?これはどこかで見たことがあるぞ。でも、初めて来たのに」。威風堂々とした仏像に出会う。「どこで見たんだろう?そうだ、昔、教科書で見たんだ」。教科書に載っていたものを目の当たりにしていることに驚きを隠せませんでした。更に足を進め大講堂へ。「まただ。また教科書に載っていたものが目の前にある」。その体験が次から次と続きました。法隆寺に、国宝や重要文化財がいったいいくつあるのか。日常とはまったく異なる空間に身を置いていることに喜びを感じながら、夢殿へ。夢殿の中央は、聖徳太子等身の観音像との説明書きが。千年以上前の伽藍を訪れたことにより、自分の心も少し洗われた気がした貴重な体験でした。
たかみ (50代男性) 2014年3月
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