高知への家族旅行の際に、室戸岬にある四国霊場第24番札所の最御崎寺に行きました。我が家は車がないので、岬周辺の民宿から海岸沿いをぶらぶら散歩しながら向かいました。室戸岬の周辺は様々な形の奇岩が並んだジオパークとして遊歩道ができており、散策しながら歩けます。黒々とした岩の向こうに荒波が押し寄せる…「室戸の海は男の海だな?」なんて思いつつ、中岡慎太郎蔵と写真を撮ったり御厨人窟に寄ってみたり、観光スポットがたくさんあります。そしていよいよ最御崎寺へ。車がないのでもちろん徒歩です。息子が歩こうとしないので、仕方なく主人と交代で抱っこをしながら休み休みの登山になりました。頑として歩こうとしない２歳の子どもを抱えての登山は想像以上にキツく、まるで修行のよう。1時間近くかかってようやく頂上へたどり着きました。まずは灯台の方へ。見事な絶景です。瀬戸内育ちのわたしは水平線をみるとドキドキしてきます。「あの海の向こうはアメリカなんだ…」なんて、坂本龍馬を思わせるロマンを感じます。灯台から最御崎寺まではすぐ近くです。境内にはノラ猫が数匹いました。お参りをしたり、子どもは猫を追いかけたりして少しのんびり。周囲にはお遍路さんもいて、厳粛な気持ちにもなりました。帰り道。あの登山道を下るのかと思うと、下りる前から膝が笑いそう（笑）と思いながら歩いていると、お寺にいたニャンコが前を歩いています。最初は冗談で「一緒に帰るの？」なんて声をかけていましたが、そのニャンコは私たちの行く先々をまるで誘導するように一緒に下山して行きました。そして最後は山の麓の空き地まで来て、眠そうにあくびをしながら私たちを見送ってくれました。かわいいニャンコの案内人に出会えるなんて、いや、同行二人なんて言うけどまさかお大師様の化身だったの…？ そう思うと、辛かった登山も嘘のように神秘的で貴重な経験に変わりました。
ももちゃん (30代女性) 2013年3月下旬
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