神野寺

素朴な雰囲気の古刹といった感じのお寺です。境内にいて周囲の景色を眺めるだけでも気持ちが落ち着きます。この感覚を言葉で表すのは難しいですが、敢えていうなら、森林浴の心地よさにどこか霊的で厳かなものが加わったような感じです。禅宗や浄土宗のお寺とは、明らかに違った空気があります。細く急な山道を登ってようやくお寺にたどり着くと、その瞬間に気持ちの安らぎや落ち着きを得る―これだけでも行った甲斐があるものです。江戸時代には山岳信仰の霊場として多くの信仰を集めたというのもうなずけます。もしかすると、わざわざ苦労してお寺に行って安らぎを得るという行為そのものに価値があり、山岳信仰の意義があるのではないか―そんな見方もできるような気もします。
By pingpongbooks40代女性
体験時期:2015年 お盆