行徳の寺町を散策していて、本堂の壮麗な建物が目に入ったので立ち寄ってみることにしました。ところが門前には、地域で統一されたデザインの案内板がありません。なぜなのか、と不思議に思いながらもとりあえず境内に入りました。
境内は全体的に手入れが行き届いた感じでした。本堂にお参りして、浄行菩薩像などの仏像を眺めた後、私はこれ以上見るところがないと判断して、円頓寺へ向かうことにしました。妙覚寺の境内から建物が見えたので、どんなお寺なのか興味を持ったのです。
円頓寺に着くと、権現道に面した門前には統一デザインの案内板があって、左に40メートル進んだところに妙覚寺がある、とそこには示されています。「来た道とは違う方向だけど、一体どういうことなのか?」という疑問を持ちながら円頓寺にお参りしました。その後案内に従って権現道を進み、妙覚寺へ向かいました。
妙覚寺に着くと、今度は統一デザインの案内板がありました。案内板の解説によると、房総にただ1基のキリシタン灯籠が見どころだとか…。そこで改めて境内に入ることにしました。
権現道に面した門を入った先には、キリシタン灯籠をはじめ、境内社や古い祠があり、どこか素朴な雰囲気がありました。さらに奥に進むと墓地があります。そして墓地の先に見えたのは――なんと、見たことのある本堂でした。これで妙覚寺の全体像がつかめました。
妙覚寺には、権現道に面した側と、そうでない側の2か所に門があります。そして権現道に面した門の方にはキリシタン灯籠や境内社があり、そうでない門の方に本堂や浄行菩薩像があり、その間に墓地があるのです。最初に私が入ったのは、権現道に面していない方の門でした。
全体像がつかめたところで、妙覚寺は面白い造りのお寺だと思いました。キリシタン灯籠や境内社の古さと、本堂や浄行菩薩像の新しさが対照的です。古いものと新しいものの間に墓地があるところに、配置の絶妙さを感じます。