聖福寺

聖福寺はメインの観光地から少し離れている為か参拝者はあまり多くないらしい。確かに住宅地に囲まれており大きな通りにも面していないが、山門を入ると国の重要文化財にも指定された黄檗宗の特徴を持つ大雄宝殿や鐘楼があり、想像以上に歴史と重厚感を感じる建物だった。今回公開された縦5メートル横3メートルの涅槃図は17世紀明の時代に描かれた物らしく、日本の涅槃図とはかなりおもむきが違っていた。不老長寿の果物仙桃を食べるユーモラスな猿やコウモリ、達磨さんや布袋さんも描かれお釈迦様の入滅の場面ではあるが、極楽浄土や桃源郷の明るい幸福感を感じる涅槃図だった。これらは道教の影響が強いとの説明があった。残念な事にかなり痛みが目立ち公開されるのは今後しばらくは難しいとの事だった。近年建物の修復の為の大規模な募金活動が行われているらしいが、観光客用の過度の補修ではなく、今の古さをうまく残したものであって欲しいと思う。
zujf (50代女性) 体験時期 2016年3月


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