指宿市の中心地から、車で走ること約30分。駐車場に車を停めて、潮騒に包まれながら歩みを進めることさらに2、3分。背景に広がる群青色の海に、鮮やかな朱色の社殿が映えてとても美しい窯蓋神社。訪れたのは11月末の午後5時。海からの風は強く、鳥居のしめ縄がパタパタと揺れていました。窯蓋神社の名の通り、賽銭箱の横には、子供の頃おばあちゃんの家で見たことがあるような、丸くて歯が2本生えた木製の蓋がずらり。この窯の蓋を頭に乗せたまま鳥居から社殿まで辿り着けると願いが叶うというので、さっそく挑戦。直径20センチほど蓋の他に、その3倍くらいの大きさの二人用があったので、連れと二人で蓋をかぶってみるも、身長差や歩くタイミングや海からの強風などにより、2歩と進めず断念。改めて一人用でやってみると、鳥居から5メートルほどの直進、そして最後の難所、階段3段くらいを超え無事にクリア。再度お参りした時には、この挑戦を見守ってくださった神様に感謝の気持ちをお伝えしてきました。帰ろうとしたところ、社殿脇に素焼きの小さな蓋があり、参道の途中から海側に見える岩のくぼみにその素焼きの蓋を投げ入れられたら、開運のご利益を賜れるということなので、こちらも挑戦。なんと自分でも驚いたことに、私の投げた小さな蓋は1度でくぼみに吸い込まれていきました!くぼみのある岩の先には、海に沈んでいく夕日。美しい風景たちに見送られながら、なんともありがたい気持ちに包まれた窯蓋神社への参詣でした。
moco.t (30代女性) 2016年11月下旬