長距離トラックの運転をしていて、休憩がてらに山陽道宮島サービスエリアに入ると、瀬戸内海を一望できる見晴らしの良い展望ひろばがあります。其処からほんの僅かですが、海に浮かぶ厳島神社の鳥居が見えます。実際に海に浮いているわけではないのですが「浮かぶ」と表現するのがぴったりの、幻想的な景観です。そもそもこの厳島神社、なんで半分海に浸かっているヘンテコリンな造りなんでしょうか(世界遺産に対して失礼)。インターネットなどの資料によると、その答えは平清盛にあるようです。平安時代末期に一族郎党を引き連れて厳島詣でに訪れた平清盛様。荒れ果てた境内を眺めて大改修工事を決心します。その際「海の上に鳥居建てたらおもろいで。ついでに社殿も半分海に浸かるようにしとったら、宋から来た貿易船もびっくりするやろうし、村人も歓びよるで」と、清盛がこんな品のない喋り方をしたかどうかわかりませんが言ったそうです。諸行無常と恐れられた清盛ですが、案外遊び心とサービス精神に満ちたところもあったようです。絶えず骨肉の争いを繰り返していた源氏に比べ、平家はファミリーの結束が強く、清盛をゴッドファーザーのように慕って、皆で力を合わせて源氏と戦ったと伝えられています。ここしばらく仕事ばかりで家族と何処へも出掛けてなかったので、今年中には清盛様にあやかって私の一族郎党(私と嫁と娘、計三人)を引き連れて厳島詣でに参りたいな思いました。それにしても、清盛亡き後、都を堕ちて西国に向かう平家の人達は、船上からこの美しい厳島神社の景色を眺めて、何を思ったのでしょうね。歴史の切なさを感じます。
a1831 (40代男性) 2017年2月14日
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