その年は、妹が遠くへ嫁ぐことが決まっていた為に家族全員で迎える最後の1月1日でした。朝方4時頃に父親の運転で大麻比古神社へと向かい、ずらりと並ぶたくさんの屋台や出店の間を通り抜けて初詣をすませたあとに、そのすぐ近くで配られていた甘酒を家族全員で飲みました。お正月なので当然と言えば当然なのですが、季節的にも時間的にも雪さえ降っていないものの寒くはありましたがみんなで飲んだ甘酒はいつもよりとても甘く、美味しく感じられたことを今でも覚えています。普段はあまりそういったものを好んで飲まない妹もどこか嬉しそうに白い頬をほんのりと朱色に染めながら美味しいと言って飲んでいました。今でもわたしにとってとても大切な思い出です。
By ゆり (20代女性)
時期:2010年元旦の体験