朝、井戸寺近くの宿を出て、恩山寺へ向けて歩く。久しぶりに大量の車と、大きな車道を見ながら徳島の町を横切る。お遍路姿の自分がとても場違いな感じがする。国道55号に出ると昨日まで、山道を歩いていた自分が記憶の彼方に行ってしまうようだった。ようやく恩山寺が近づいてきた所で、国道は道路工事をしていた。工事区間が始まる所で交通誘導をしていたおじさんが、恩山寺への行き方を丁寧に教えてくださった。工事区間が終わる所で交通誘導をしていたおじさんは、持っていた手帳に何か走り書きをして「はい。」と渡してくれた。何かの詩が書いてある。恩山寺は木々に囲まれたお寺で、長い国道歩きから解放されて心底ほっとした。境内で会ったお遍路さんに、先ほど貰った詩を見せると一休禅師の詩だと教えてくれた。
By のろがっちょ (40代女性)
2007年、8月