第六十番 石鎚山 横峰寺（よこみねじ）。 西日本最高峰の石鎚山（1982ｍ）の中腹に、八十八カ所霊場中3番目の難所と言われる横峰寺があります。難所と言われるのはもちろん、遍路道。車道のある山の反対斜面に登り口があり、お寺まで2.2㎞という看板があります。 横峰寺を参拝した前日と前々日に、3月では珍しく積もるほどの雪が降りました。雪の影響で、横峰寺へ車で行くには納経が終わる17時を過ぎてしまいそう。そこで最短の遍路道を歩いて登る賭に出たのです。 2200ｍ、垂直方向への距離とはいかに重みを感じるものなのか。足はガクガクです。でも時間がありません。ひたすら上に向かい、やっと登山道からお寺の境内が見えたときには感動です。お寺の屋根に雪が積もり、一面雪景色。「すごい。」という言葉しか出てきませんでした。 時計を確認すると17時5分前。お経をあげるのを待ってくれるかしらと思っていると、住職さんが「先に納経を済ませてからお参りをしなさい。」と、納経をしてくれました。 そして、「日暮れに山を登るのは空を見上げているから簡単でも、山を下りるのは暗闇に向かって歩くのと同じでとても危険。早くお参りを済ませ、気をつけて早く山を降りなさい。」と言ってくださいました。ありがたく、心温まるお説教でした。
By 沙依40代女性
体験時期:2001年3月10日
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