太宰府天満宮 菅原道真最期の地
太宰府駅から参道を通ってすぐ、比較的開けて平地の続く太宰府の東の端の山の近くに太宰府天満宮はあります。太宰府政庁から離れた所にあり、地図で見ても町の端にある印象ですが、実際に訪ねてみると参拝者で賑わう様子は今の太宰府のシンボル的な神社でもあるのだと思いました。各地に点在する天満宮や天神様通称される神社を訪ねる機会が多かったので、一度は訪ねてみたいと思っていた神社です。二月の上旬に訪ねたのは偶然ですが、温かい九州では紅白の梅はもちろん蝋梅も満開で、まだ寒さのつづく時期でしたが少し早い春の色を見るて、道真公が詠んだ歌を体感することができました。梅の印で頭ではわかっていたのですが、実際に見てみる事の大切さを改めて実感しました。
太宰府天満宮の飛梅
天満宮のシンボルと言えば梅。京都の北野天満宮に飛梅伝説の飛梅の木がありますが、太宰府天満宮にも飛梅の木があります。私は陸路で太宰府まで来たのですが、失脚した菅原道真が京都からはるばる来た時、交通手段は限られていたと思いますが、京都から太宰府は今以上に「離れている」と感じたのではないでしょうか。梅の花に今生の別れのような歌を詠ったのも分かる気がします。当時は「飛ぶ」でもしない限りそんなに早く移動できる距離ではなかったと思います。ちなみに太宰府天満宮の飛梅の立て札は、鳥書という書体で書かれていて、「飛梅」と言う文字の中に、鳥の模様が隠れています。飛んで来たという伝説を暗に示すにかわいらしい演出だと思いました。
宝物館
今まで参拝した社寺の宝物館で拝見した物は、主に、その社寺に奉納されたものがほとんどでした。お寺でしたら仏像やお経、仏具の類、神社でしたら、鏡や御祭神に縁の品、例えば熱田神宮でしたら、宝剣の類などがそれにあたります。ですがこちらには奉納された物ももちろんありますが、私が参った時は、菅原道真公が実際に使っていたとされる毛抜型太刀と硯が展示されていました。硯は欠けていて、その全貌は分かりませんでしたが、横に装飾が施されていました。また、書家でもあられたので、直筆と伝わる経などもありました。その他にも、道真公が生きていた当時日本に渡来した漢書の類や、平安期の日本の古典文学も多く展示されており、さすがは学問の神様だなと思いました。
御朱印帳と御縁
太宰府天満宮で新しい御朱印帳を授けて頂いた時、御朱印の前に伊勢神宮参拝に二頁分を空けるかどうか聞かれました。御朱印帳の始めは伊勢神宮がの外宮と内宮が望ましいという理由からでした。社寺仏閣を何年も趣味にしていましたが、訪ねるのは小規模の神社が多く(元々御朱印を集めるということ自体を主体にはしていなかったので)、いつか伊勢神宮へは行ってみたいとは思っていたのですが、なんとなくとても遠い存在でした。ですが、太宰府天満宮でお伊勢参りの予定の有無を聞かれたのがきっかけで、実際に伊勢神宮への参拝計画を立てることになりました。勿論御朱印帳に厳密なルールがあるわけではありませんが、他社への参拝と言う縁を頂いたような気がしました。
大宰府展示館
太宰府と言えば、万葉の時代から外交・防衛の場となっていた場所が、中心にあります。展示館には政庁跡として保存される前に行われた発掘調査の仔細や、書物などで語られている太宰府について展示しています。有志のガイドの方が丁寧に説明をしてくださいました。大宰府の梅が今年は有名になりましたが、梅見の宴の文化は、奈良の都の文化を外交官として派遣されて来た方々が都の文化を持ち込むことで始まったそうです。万葉集の歌の三分の一が九州で読まれたそうで、詩歌にする文化もこのようにして広がって来たのかもしれません。
また現在太宰府天満宮があるのは、太宰府政庁からは離れているのですが、道真公死去の際、遺体を都の中に置いておくのはよくないとされ、太宰府から運ばれるさなかだったそうです。
大宰府展示館
〒818-0101 福岡県太宰府市観世音寺4-6-1
外交都市と防衛拠点
現在は発掘調査も終わり、パッと見ると街並みの中にぽっかりと空いたようになっていますが、薄く草の生えた中に、道に対して垂直・平行に伸びる溝があり、ここに人工物があった名残を見る事ができます。また、歌碑と共に梅の木も植えられていて、展示館で見た梅見の宴を思い浮かべるのも容易にできます。
地図を見ると太宰府の中心に政庁跡があるのがよくわかります。また、博多湾まで広く見渡した時に、政庁跡の西側に水城(みずき)と言う一見すると高い土塁になっているものが北側と南側にある山を繋ぐように走っていて、外交都市だったと同時に、防衛拠点だった事も知ることができます。当時の都のある場所からは遠いですが、重職の置かれていた太宰府の重要性が地図を見るとより理解が深まります。
大宰府政庁跡
〒818-0101福岡県太宰府市観世音寺4-6-1
水城館(水城自体の住所が無いので、水城の展示施設です)
〒818-0132福岡県太宰府市国分2-17-10
清水山 観世音寺と、榎社
太宰府展示館の方に薦めて頂いた観世音寺。大宰府政庁は外交を行う場で、こちらのお寺には外国から来た僧侶の方が立ち寄ります。まだ、日本が仏教を外国から学んでいた頃からあるお寺です。またこちらにある釣鐘は国宝で日本最古のものです。鐘の音は思っているよりも遠くまで響くので、当時大宰府政庁に勤める人たちの宿舎だった榎社にも聞こえていたのか、このお寺の鐘の音について、榎社にほとんど幽閉状態だった菅原道真が漢詩に詠んでいます。情景を描いている詩ですが感情が露わでない分、知識人だった菅原道真が、左遷とは言え近くに外交を行う場があるにも関わらず、職務を行うことが叶わずじっとしている事の辛さが伝わってくる漢詩です。
言及している漢詩は下記です。
都府楼纔看瓦色
観音寺只聴鐘聲
(『大鏡』、「菅原道真の左遷(都府楼の鐘)」より)
清水山 観世音寺
〒818-0101 福岡県太宰府市観世音寺5丁目6-1
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