中禅寺 立木観音 参拝記
坂東三十三所観音霊場18番札所 日光山 中禅寺。
坂東三十三所観音霊場の納経帳を見ると、 日光山 ではなく補陀洛山(ふだらくさん)と書かれていますが、他の資料などでは、山号は日光山とあります。そもそもの創建の時は、補陀洛山(ふだらくさん)だったようなのですが、現在、どちらを書くべきなのか、管理人はよくわかりませんので、両方共書いておきますw
管理人は坂東三十三所観音霊場を巡ろうとしていますが、ここ、中禅寺は、坂東三十三所観音霊場の流れもありますが、日光をちゃんと見るという目的も兼ねての参拝です。中禅寺の他の(メインの山内地区の)輪王寺や二荒神社、東照宮とか大猷院、華厳の滝、中禅寺湖なども訪れたスポットです。
実は、日光についてはあまりいいイメージを持っていません。ようするに、東照宮のイメージが強烈過ぎて、技術、技工としては一流なのでしょうが、好みではないよなぁ・・とずっと敬遠していました。しかしよく考えてみると敬遠するだけで、ちゃんと見たことがないということに気が付きました。何もわからない小学生の時に東照宮は見てますが、何の印象も記憶もありません。映像や写真で見て、好みじゃないだろうなぁ・・と思ってますが現物を見ないで断言するのも、何か後ろめたい気がします。技工、技術として素晴らしいのは確かでしょうから、一度は見ておくべきでしょう。
ちょうど、坂東三十三所観音霊場の18番札所が、日光の 中禅寺でしたし、、2018年の夏から、JR新宿発の日光1号で、東武鉄道の東武日光駅へ乗り変えなしで行けることになりましたので、一泊二日の旅程で日光のみへ行くことにしました。
2018年 平成30年11月12日、紅葉のトップシーズンを終えていますので、ピークの混雑ではないでしょうが、いろは坂の渋滞を恐れていました。自家用車はしんどいでしょう。さらにバスでいくにしても、中禅寺湖まで順調で一時間、混雑すればそれ以上、立ちっぱなしは、辛いでしょう。
事前にある程度情報を得ていましたので、東武日光駅に到着して、すぐにバスのフリーパスを購入。二日有効で二〇〇〇円。中禅寺湖まで片道で一〇〇〇円越していますから、それだけで元はとれます。それ以外に少し途中下車などして使えば十分です。宿泊に必要な荷物はコインロッカーに。それから歩いてJR日光駅へいきました。バスのフリーパスは始発のJR日光駅から使えます。始発であれば座れるだろうとのヨミが当たりました。一番で乗り込めましたが、次の東武日光では、立ち席でも乗り切れない人が出る有様。まあ特急到着のあとは、五分、一〇分待ちで、次々とバスが出るんですけどね。
途中明智平へより、中禅寺湖のバス停には12時。湖畔を中禅寺まで歩きました。普通の道ですが、「参道」と石碑もありました。かなりゆっくりめに歩いて仁王門についたのは12:18でした。今思えば先に二荒山神社に行って、そこから船にのって、中禅寺前の船着き場で降りる・・・というのもありだったと思います。
仁王門は、表に仁王、うらには風神雷神でした。
仁王門から本堂までは平坦ですが、けっこう距離があります。
途中には松竹映画の愛染かつらの「かつら」がありました。鬘ではなく桂です。ロケ当時の桂は落雷ため枯れ、今のは二代目とのことでした。
苦難多き恋を実らせる霊木。
いっやぁ・・。松竹映画とか、愛染かつらとか、知っている世代はかなり年配じゃないだろうか。かなり少子高齢化がすすんではいるけどれども、知らないほうが日本の人口比率からすればずっと多いだろうと思います。管理人も、愛染かつらの名前はしっているけれども、実際の映画は見たことはありません。だいたい「愛染」をアイゼンと読めるだけで、世代がバレる気がします。
納経帳は事前にお預けして、本堂をゆっくり拝観。(500円) 立木観音も近くに拝することができます。
ここの立木観音は、生きたままの樹木に観音様を彫ったと伝えられ今でも根を張っていると言われています。まあそれはそうなんでしょう。
根は張っている・・・けれども、生死については、言及されていませんから、嘘は言ってないと思います。
何かちょっと含みのある書き方になってしまいましたが、立木観音という別名を持つお寺は他にもあって、そこは樹がまだ生きてると思わせるような表現で、秘仏で見せないとかなんとか。いっやぁ、彫る時に生きた樹木だったという話は信じらますけど、彫ったあとも生きて成長していると、100年、200年と、彫刻の形が変わってしまいますよね・・・。
そういうわけで、ここの中禅寺の立木観音が(生物学的に)生きていると説明されなかったのには、けっこう、ほっとしました。まあ、もし「生きています」と言われたり書いてあったりしたら、生物学的な意味ではなく、信仰として、救済の観世音菩薩として、今の生きてご活躍されている・・・という意味に脳内置換して聞くのでしょうけどね。なにもわざわざ、文句をつけ周りたくて、坂東三十三所観音霊場を巡っているんじゃありませんから。
立木観音のお堂からさらに五大堂へ登ると湖への眺望がひらけます。
五大堂は不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王の五大明王のお堂です。管理人が、五大明王に最初に感銘を受けたのは、奈良の秋篠寺です。メインの段の向かって左に祀られているのですが、何度行っても非常に印象に残ります。
ここ中禅寺の五大堂の五大明王も生きた像だと思います。生物学的ではなくw
中禅寺は、輪王寺の別院ですが、輪王寺の山内地区には次の日に行く予定です。
時間が許せば、もうひとつの輪王寺の別院、湯元の日光山温泉寺にも行きたいところでした。お寺に温泉があるんですよね。
五大堂から降りて、預けておいた納経帳を受け取りました。
坂東三十三所観音霊場は、廻る人が多いのでしょうか、あまり話しかけていただいたことはないのですが、「次は大谷(19番札所 天開山 大谷寺) ですか?」と珍しく声をかけていただきました。
今日は日光駅の近くに泊まり、山内地区の輪王寺や東照宮などを見る予定であることをお答えしました。
その日の昼食ですが、中禅寺から、中禅寺湖のバス停に徒歩で戻る道すがらのペンションで食べました。
なんというか、霊場巡りをしているのに、あまり良くないこと、文句の類は書きたくはないのですが、いっやぁ、実にひっどいオムライでしたwなかなかここまでひどいのには巡り会えません。自宅の近所の町の中華屋さんが出す600円のオムライスのほうがずっとおいしい。これで倍以上の値段をとるんだからビックリです。ご丁寧に「限定」とか看板に書いてあったりします。
観光で来る人が日光や中禅寺湖をリピートする率は、かなり少ないかもしれません。一度来ればいいかなぁと思う人が多いでしょう。そうなるとリピーターなどを期待して顧客満足度をあげようと切磋琢磨するより、高めの値段で刹那的に利益率を追求するというスタイルなのでしょうねぇ。
ややがっかりしつつ、湖畔の日光二荒山神社の中宮祠(ちゅうぐうし)へ。
その後は、遊覧船にて、男体山は勿論、中禅寺も湖上から拝した後、市内の宿に向かいました。
基本情報
所在地
栃木県日光市中宮祠2482
電話
0288-55-0013
山号
日光山 補陀洛山(ふだらくさん)
宗派
天台宗
寺格
別院
本尊十一面千手観音菩薩(立木観音、国重文)
創建年
(伝)784年(延暦3年)
開基
(伝)勝道
正式名
日光山 輪王寺 別院 中禅寺
別称
立木観音
札所等
坂東三十三所観音霊場18番札所
中禅寺 のぼりて拝む みずうみの うたの浜路に たつは白波
下野七福神(大黒天)
文化財
木造千手観音立像(重要文化財)
拝観
大人500円 子供200円
納経時間
4月-10月 8:00-17:00
11月 8:00-16:00
12月?2月 8:30-15:30
3月 8:00-16:00
駐車場
あり