実は、日光の寺社群に対して、好き嫌いでいうと、あまりポジティブな印象を持っていない。
いい悪いということではなくて、好き嫌いという点にご注意願いたい。
昔から関東地方、東京の小中学校の修学旅行などで訪れる定番であり、さらに世界遺産に認定されて、素晴らしさが世界的に認められていて、いい悪いでいえば、「いい」「素晴らしい」ということに、自分ごときが文句をつけたいとは毛頭思ってない。だが、好きか?問われれば、たぶん好きじゃないのだ。
理由も自分なりにわかっている。主に東照宮など江戸期の意匠が合わないからだ。つまり明日香、天平といった時代の建築や彫刻が好きで、江戸まで時代が下ってくると、技巧的や技術的に、とても細かく、精緻に素晴らしくなっていても、もっている雰囲気が好みと違うのだ。
というわけで、管理人は、30代から古寺古社に興味を持ち出したのだが、そういうわけで見に行っても好みに合わずに失望するんだろうなと思い東照宮をはじめとする日光には足を向けたことがなかった。
が坂東三十三所観音霊場を巡りを初めてみると、その18番札所 が、輪王寺の別院の日光山 中禅寺だった。その流れで、長年避けてきた日光に行くことになったのだが、どうせいくなら、ちゃんと日光のメインのところも見ておくことにした。
坂東三十三所観音霊場を車で回った人のブログなどをみると、霊場だけを廻っている例もあって、ここ中禅寺だけに行って、他には行かないという選択肢もあった。が、行かずして「好みにあいそうもない」といい続けるのもなんだかなぁ・・とも思った。たぶん、好みには合わないんだろう。そのことを確認するためだけになってしまうかもしれないが、それでも立ち寄っておくべきだろう。
・・・と甚だしく不敬な思いではあったが、ここ輪王寺をはじめとして、他の2社1寺の東照宮、二荒山神社、もちろんそもそものキッカケの中禅寺。中禅寺湖にある二荒山神社の中宮などに行ってきた。
さて、東照宮や二荒山神社については、それぞれのページで書くとして、ここでは輪王寺の話だ。輪王寺には、本堂(三仏堂)、大猷院、慈眼堂、常行堂、中禅寺、大護摩堂、四本龍寺等のお堂がある。山内の2社1寺には、神橋から歩いた。西参道でバスを降りるほうが近いのはわかっていたが、それはそれ。由緒あるメインルートということで神橋からスタートとした。山内の輪王寺のメインといえば、普通は、本堂(三仏堂)ということになるだろう。然るべき拝観料を納め拝観してきたのだが、何というか、それほど印象はない。お堂が工事中で、また異様に団体もいたことが、印象を悪くしたかもしれない。
しかし、それでも輪王寺には、2社1寺の他の社よりもいい印象を得た場所がある。それは本堂や大猷院などの有名なお堂ではなく、比較的マイナーともいえる常行堂だ。
ちょうど常行堂御本尊修理完成を記念して特別参拝などを行っていが、それに参加せずに普通に参拝させてもらった。
なんだろうなぁ比叡山延暦寺の「にない堂」に模して建立したってところが、他の建築より趣味にあうことになったんだろうか。
いやむしろ、「観光」をメインとしてお堂じゃなくて、信仰をメインとした場として有り様が好ましく思えたのもしれない。
たぶん・・なのだが、本堂(三仏堂)の本尊も、場が違えば良さを感じることができる素晴らしいものだろう。だが、どうにも観光擦れしてしまっていて、その良さを受け取ること、感じとることができなかったのは、それはそれで仕方がないことだろう。
そんな中で常行堂だけは、もう一度行きたい場所としてしっかり記憶することになった。
「山内」(さんない=標高 約630メートル)と