東京都福生市大字熊川659
忘れもしない。来年、国家試験を控えていた私は、毎年帰省する実家にその年は帰れずにいた。試験へのプレッシャーと年末なのに下宿で一人過ごす虚しさで、気分はすっかり落ち込んでいた。そんな時、比較的近くに住む祖父母から訪ねにこないか、と誘われた。私は勉強道具を持って祖父母を訪ねた。勉強道具を持って行ったはずが、久しぶりの祖父母との再開に、時も忘れ食事をしながら会話に興じてしまい、気付けば新しい年を迎えてい...