高校生の時の修学旅行で京都に行きました。自由時間と言う物が有りましたが、各班でコースを決めてリポートするというものでした。五人程だったと思いますが、なかなか決まらず途中でふた組に分かれてから、また合流する事に成りました。友人が苔寺を選択した為に自分と２人で苔寺へ向かいました。北海道から行ったので、人為的にあれ程の侘・寂を感じさせて貰える所は無いと思い、実に感動したのですが、丁度昼時だったので近くの食堂へ入りました。普通の食堂に見えたのですがメニューを見ると少し高めの金額でした。 そこで一番安かった卵丼を頼んだのですが、味が薄すぎて残念に思いました。しかし食べ続けるうちに何とも言えないほどに、ご飯、出汁、卵のバランスが絶妙に配されている事が分かってきました。 苔寺にも負けない侘・寂と洗練さだったのです。 友人も同じ感覚だった様で田舎者２人で唸ってしまいました。 その後何年たっても苔寺の美しさを忘れることが出来ないのは、卵丼の美味しさが忘れられないのとセットに成っているからだと思います。
バイキンマンＧＧ(50代男性) 時期：１９７３年の初夏、高校での修学旅行にて
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