国宝・釈迦如来坐像を拝観しに蟹満寺にお参りした。このお寺は『今昔物語』に出てくる「蟹の恩返し」でも有名だそうだ。公共交通機関での参拝は少し不便であるため、前日奈良市内のお寺を巡ったあとそのまま奈良市内に宿泊し、翌日レンタカーで現地へ。駐車場からお寺に向かうと、山門を始め境内の建物は妙に新しいことに気づき不安になるが、ちゃんと「蟹満寺」と書いてある。拝観料は400円。本堂に上がらせてもらい、お坊さんが丁寧に説明してくださった。本尊は釈迦如来で、銅像である。奈良時代以前の制作で、ふくよか、かつ少し頭が大きめの古風なお像である。時代的には有名な「興福寺仏頭」に近いように思われた。ゆっくり拝見して境内を見渡すと、灯篭や石碑など様々なところに蟹のモチーフがあり、それらを発見するのもまた楽しい。
By まつ子 (20代女性)時期:2013年9月