願興寺

平安時代、遣唐使から帰った最澄が東方行脚の旅に出たときに作った布施屋(国営の宿泊所)を起源とする天台宗の寺です。 ここには、日本に2700体ほどしかない国指定重要文化財の仏像のうち、24体が収められています。平安時代から鎌倉時代にかけての作で、その荘厳さには奈良や京都で仏像を見慣れているものでも驚きを禁じ得ません。 特にチーム薬師如来(薬師三尊に四天王と十二神将を加えたもの)が、一体も欠けることなくそろっているという、奇跡のようなラインナップです。 この寺は何度も戦火にまみえ、本堂が焼け落ちたこともありました。そのとき仏像を密かに運び出し守ったのが地域住民でした。また、焼け落ちた本堂の再建をしたのも地域住民でした。 現在の本堂は、いろは造り(俗称です)と呼ばれる48本の柱が屋根を支えています。その1本1本が住民からの寄進です。その柱には、節が目立ち奇妙に曲がっているものまであります。豊かとは言えない暮らしの人々からの寄進です。完全な柱ばかりを揃えることができなかったのでしょう。しかし現在となっては、その微妙な統一感のなさに日本的な美さえ感じます。 でもこの柱で四百年以上の風雪に耐え、1891年の内陸で最大といわれる濃尾地震(マグニチュード8以上といわれる)の震災にも負けなかったのですからたいしたものです。 しかしそれがいつまで持つかわかりません。すでに屋根や床板などはボロボロです。崩れ落ちる前にぜひ一度参拝に行ってみてください。 (余談ですが、ポケモンGOのホットスポットもあるそうです。住職さん談) 敷地内に駐車場も10台ほどあり。近辺に無料の駐車場もあります。
北風荘右衛 (50代男性) 私が訪れたのは2017年の1月です。


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