私の生まれた故郷(福島県郡山市片平町)には、他の地域では見られない風景が存在します。町の中心から片平小学校へ、もしくは、采女神社に向かう途中で見かける3つのお寺が並ぶ風景です。山の南斜面にそれも間隔もなく存在し、決して目を見張る様な立派な建造物ではないのですが、その存在感は確かに圧倒されるものがありました。ただ、私にとってのその風景はごく自然なことであって、四季折々にまるで絵葉書のような風情をかもし出しては、幼い心に深く安らぎをもたらしてくれました。町の人たちもそのお寺には親しみがあり、通称で(西の寺・中の寺・東の寺)呼んでいる程でした。特別な祭事を行ったと言う話しもなく、ただ、そこにあるだけなのですが町はそのお寺に守られている感じがします。
By 辺那子 (50代男性)
1970年から1982年の間