祥雲寺

〒292-0801 千葉県木更津市請西1012


祥雲寺記事一覧

そのお寺の行く道には心臓破りの坂がある。木更津駅からタクシーを使う事もあったけれど、必ずこの坂の前で降ろしてもらった。子供ながらに「壁」の様に見えた、長くはないが三階分くらいの坂を一気に登ると寺の表に辿りつく。山のほぼ頂上、崖を背に建つのが、毎年、親戚の手伝いで訪れていた祥雲寺。登り切って、振り返ると、木更津の町が見渡せる。東京のあまり起伏のない場所で育った私は、東京タワーなどのガラス越しではなく...

祥雲寺の本堂の前には、大きな鳥居がある。ちょうど、お寺の前が参道になっていて、山の上の八幡様まで続いているのである。お寺と、鳥居、その二つが並んでいる事に、幼い頃の私は何の疑問も抱かなかった。それもそのはず、祖父は毎朝、神棚と仏壇の世話をし、お盆には迎え火を焚き、お坊さんを呼び、お仏壇に小さなお膳を作り、送り火を焚く。秋祭りの時にはお神輿が自宅の前を通る。お正月には浅草寺と三社様にお参りをする。思...

八月二十日に祥雲寺ではお施餓鬼が行われます。毎年は母に連れられ訪れる理由でもあるこの行事について、いくつかに分けて書いていこうと思います。其の一。お迎えする道はきれいに夏の終わり、山の木は繁りつつも葉を落とします。そこで、小学生の私に下された指令は本道前の道の掃き掃除、使うのは竹箒。敷き詰めた玉砂利をきれいにならしつつ、落ち葉だけをかき集めるには一番適した箒です。が、子供サイズなどないその箒は大体...