東光寺に初めて行ったのは、1990年代後半でした。おびただしい数の石灯籠が並んだ先に毛利家の奇数代藩主の墓所があって、独特な雰囲気を醸し出していたことを、15年以上たった今でも覚えています。墓所の造りのユニークさと、そこから感じられる威光は、月照寺(島根県松江市)の松平家墓所に匹敵するものがあるのではないか、と個人的に思います。さて2015年のシルバーウイークに東光寺を再び訪れる機会があり、前回行った時には気づかなかった発見がありました。境内の建物が唐様の建築手法でできていて、他の寺院には見られないエキゾチックな雰囲気が境内全体に漂っていたのです。毛利家廟所とは趣が異なるので、意外な感じがしました。また毛利家の墓所以外にも、幕末に禁門の変などで殉死した四大夫十一烈士の墓があることに改めて気づきました。複雑きわまりない幕末の歴史の一端を見たような思いがします。
By pingpongbooks 40代女性 時期:1990年代後半、2015年9月