船津神社

私の地元である愛知県東海市の船津神社には、変わったお祭りがある。毎年9月末になると猩々と呼ばれる大きな人形を使った祭礼である。3メートルほどの大きさの人形の中には地域の大人たちが入って神社周辺を練り歩くのだ。それぞれの猩々の手には”ばりん”と呼ばれる大きな竹の棒が握られており、それで頭を触られると福が寄ってくるのだ。お祭りの当日は近隣の各地域の子供会も参加して猩々との触れ合いを楽しむ。大人になった今では全く怖さもないが、少年の日の僕にはさながら鬼を思わせるその異様な風貌と大きさも相まって、恐怖心を感じたことをはっきりと覚えている。先日、9年振りに祭りに参加してみると屋台が立ち並び、あのころと変わらない賑わいが展開されていた。時代が進みスマホやゲームといった遊びが普及しても、地域の祭礼が大切にされていることをふつふつと感じた。
たっちゃん (20代男性) 体験時期 2016年9月末


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